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ひげとボヨン

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久々に本のレビューです。
かなり感想が書きにくい本なんですが・・・。

breakthrough.jpg

『心臓を貫かれて』(上・下巻)
著:マイケル・ギルモア
訳:村上春樹
文春文庫


1976年夏、僕の兄ゲイリー・ギルモアは何の罪もない人を二人殺した。判決は死刑。ゲイリーは銃殺刑を希望し、執行された。何が兄を殺人に駆り立てたのか?長男フランクの失踪、次男ゲイリーの殺人、三男ゲイレンの変死を引き起こした、暴力と恐怖と失意に満ちたギルモア家のトラウマの歴史を、4人兄弟の末弟が、過去に遡って丹念に紐解いて行く……。


ノンフィクションの小説です。
しかし、とても現実にあった事とは思えません。
家族を蝕む暴力、絶望、闇はどこから来るのか?
読んでいて、その救いの無さに打ちのめされます。


子供に虐待を繰り返す父親、ヒステリーな母親。
呪われた家庭で4人の兄弟が育ちます。
父親の虐待のせいで、子供達はどうしようもなく歪み、人を傷つけ、その分自分も傷ついていきます。
ただ、家族を結びつけるのは憎しみの感情だけではありません。
いびつに歪んでいるものの、確かに愛で繋がっています。
そして、そのせいで物語は深い悲しみと絶望に包まれています。

この小説を読み終わり、これがノンフィクションなら、フィクション小説の価値はどこにあるんだろうとつい考え込んでしまいました。
これ以上の感想はちょっと文章にするには、僕には荷が重たいみたいです。
確かに複雑に絡み合った何かが、心の中に残るんだけど、それを解きほぐして文章にする事が躊躇われます。
おそらく、この本を読んだ人にも同じくその何かが残ると思います。
それは自分で確かめて下さい。
(もし、感想に物足りない人がいたら、Amazonのレビューでも見てください。)


とりあえず、今年読んだ面白い小説ランキングは鈴木貫太郎を抜いて暫定1位に躍り出ました。


さて、実際この本を読んで見ようと思ったあなたにアドバイス。
前半はモルモン教の歴史、祖先の歴史など少し退屈な描写が進みます。
俺もここらへんはかなりのスローペースで通過しました。
ただ、4兄弟の話になってからは、ブレーキかける事が難しくなります。
下巻の半分からはラストまでは一気に読破し、気付いたら朝でした。


この小説を紹介してくれた女の子には感謝です。
まあ、このブログ知らんけどw。


あと村上春樹の文章はやっぱり綺麗だなぁ。
学生時代にグレート・ギャツビーに挑んで、リタイアした記憶があるけど、今回村上訳のギャツビーが出るそうです。
楽しみだ。
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テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学
コメント

興味わきます。

ちょうど書店に行く用事あるのでそのとき買ってみます!

「事実は小説より奇なり」って、子どものころよく父母に言われましたが、得てしてその通りなんですよね・・・。
2006/06/09(金) 11:06:57 | |みやこ #-[ 編集]

>みやこさん

みやこさんが興味わいてくれたなら、このレビューは大成功です。

「事実は小説より奇なり」とは正にこの本のためにある言葉です。
フィクションよりも非現実的で、ノンフィクションならではのリアリティ。

これはフィクション小説では到達出来ないポイントにある名作です。

もし読んでくれたなら、感想聞かせてくださいね。
2006/06/09(金) 22:26:03 | |nurukan #-[ 編集]
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